今回開発する「栃木のモヒート」は、全部で60kgの春摘みいちごを使用します。
いちごは痛みやカビがないか一個ずつチェックして、小分けにして水に浮かせてゴミを除き、流水をあてて洗い流し、ヘタをカットしてタンクに入れます。一個ずつのチェックに時間はかかりますが、痛みを広げないために全量で洗うことを避けて、いつも安心安全を第一優先に仕込みます。
仕入れと仕込み日は、農家さんと連絡をとっていちごの生育のタイミングに合わせて決まります。
今回は3〜4月の収穫となりました。
実はお酒のために60kgを集めるのは容易ではありません。
農家さんは生食用の「美しい円錐形のいちご」を生産して出荷しているため、加工用のいちごというのはわざわざ作っていません。
けれど、早朝にいちごを収穫しながら、規格外で完熟したものを加工用に採り集めてくれます。
それがいつどのくらいの量が出るか、そのタイミングは収穫してみなければわかりません。
そのため、希望した量が一度に全量揃うことは稀で、2回以上に分けて農場に通って仕入れます。
酒造免許を取るときは、このような原料の仕入れ先と納品までの経路がきちんと確保されているかがチェックされます。
実際に、気候や社会情勢に影響される仕入れや流通といった部分は最も重要で、
原料の納品や在庫の出荷が安定して初めて、仕込みが叶います。
農場では、栃木リキュールのお酒の原料となるいちごを大切に収穫して、ひと手間頑張ってくれます。
そして「味も香りもいいよ」と自信を持って勧めてくれます。
こうして畑と工場はつながって、ようやく美味しいいちごをタンクに迎えることができます。
栃木のいちごの歴史はまだ60年ほどですが、努力を重ねて、日本一の生産量を誇ります。
何より、平和への開墾から始まり、美味しさへの喜びと幸せが、今日に繋がっていることが私たちの誇りです。
▲いちごの検品
▲こちらは昨年の苺と桜のリキュール
「栃木のモヒート」について追記する場合があります。